景気が底を打ったということを言われることもありますが、なんとなくそんな感じはしません。
地方はちょっと遅れてやってきますから底を打ったという実感は秋ごろなのかもしれません。
最近の消費者が「持たない生活」をするようになってきました。
たとえば、自家用車。
カーシェアリングというシステムで必要な時に予約をネット経由で入れ、必要な時間だけ使う。
田舎に住んでいると自家用車は必需品ですが、都会で所有していても使う機会が限られてしまいます。
私の妹は、目黒に住んでいますが、子どもも大きくなってくると家族全員で外出する機会がめっきり減りました。
遠出は富山に帰省するときぐらい。
3年目の車検の走行距離が5,000キロだったそうです。
オイル交換もしていません。
このまま所有していても経費ばかりかかるので手放そうかと考えているようです。
このような人たちが増加して、車を買わずに使いたいときだけ借りる。
今や、高級ブランドバックなどにも広がりを見せ「持たない生活」を満喫する時代になったのかもしれません。
当社の近くのペットショップでは、犬のレンタルをしているそうです。
1時間1,000円、2時間2,000円、1日3,000円だそうです。
近くに五福公園というとても大きな公園があるので、そこで犬と遊んで満足をして帰ることができます。
(もっともペットショップの事情で売れ残りの犬の散歩にはうってつけなのだそうですが・・・・)
今の若者はステータスの中に、「自家用車」は入っていないようです。
もしかしたら、そのうちに「家の所有」もなくなるのではないでしょうか?
私は約20年前にヨーロッパに行った時の光景を忘れることができません。
オランダの中心部だったのですが、ゆったりと流れる川のほとりに木が植えてあり、その下に散歩道がありました。
その外側には道路があり、あまり車は通っていません。
そしてその外側にアパートメントが並んでいます。
窓辺には色とりどりの花が咲き、なんとも言えない美しさがありました。
アパートメントの下では、ベンチが置いてあり、老夫婦がお茶を飲みながらゆったりとした時間を過ごしています。
また、川のほとりを散歩する人も少なくありません。
現地のガイドさんに聞くと、
「オランダの人々は、若いころは、庭付きの一戸建てを借り、子育てをします。子供が旅経つと自分たちの好きな所に住み、畑やガーデニングをして楽しみます。いよいよ老後になると、都心のアパートメントに移り住み余生を楽しむのが普通です。」
と言われました。
ヨーロッパでは、家を所有するという考え方はあまりなく、自分のライフスタイルにあった所に住むという方が多いのです。
日本もこれからそのような考えをする方が多くなってくるのではないでしょうか?
そのようになってきた時の消費行動を考えながらどのような需要があるのかを考えていく必要があるのかもしれません。
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