富山県の有名な会社で、全国的にも名前の知れた「生産技術」という会社が倒産しました。
会社更生法の適用を受け、昨日説明会があったようです。
新聞記事によると、この会社の売上高は113億円、年間利益は約10億円としていましたが、実際は売上が17億円しかなく、減価償却費も捻出できないような赤字経営だったことが説明されたようです。
今期売り上げも18億9千万円、純損益17億9千万円の赤字になるということです。
しかし、売上が18億円しかないのに113億円と過大にできるのかが疑問です。
これだけの粉飾でしたら公認会計士、税理士の責任問題もあるのではないでしょうか?
今回の例をみても経営者は売上が減少してもなかなか撤退することが出来ません。
今まで投資してやってきたことが全部無駄になるという恐れがあり、もう少しの我慢をすればきっと良くなると思ってしまうのです。
しかし、ほとんどの場合、それはありません。
現代では情報や流行が目まぐるしく変化し、その時流を見極めた本物しか売れません。
今回の生産技術もあれだけ派手に宣伝もし、全国に工作機械を販売して、売上が減少したことがわかっていても後には引けなかったのではないでしょうか?
いろいろ賞ももらっておられたからこそ、引き際をしっかり判断するべきだったのではないでしょうか?
じっと我慢するか?それとも行動するか?
経営者としては迷うところです。
私自身は、昨年、行動を起こしました。
というのは、私どものように10年そこそこの会社には資金、資産がありません。
毎年、営業黒字であり続けなければならないからです。
しかし、創業30年も経っている会社には、資産があります。資金があります。
そしてなによりお金では買えない「信用」があります。
私どもは、サメやマグロのように泳ぎ続け、行動していくしかありません。
じっと我慢するのは、老舗と言われているような会社や、家族経営をしているような会社で選択できるのではないかと思います。
私の知り合いの経営者は、赤字が続いているにも関わらず賞与を出し続けておられます。
よっぽど資産があり、まだまだ余裕があるとしか考えられません。
経営者は、撤退の時期を見誤ってはいけません。
ましてや、粉飾するようなことまでやるものではないと思います。
おそらく、生産技術は再生しないのではないでしょうか?
中古工作機械を販売するというビジネスモデルを作った会社の没落。
日本の製造業の終焉を見るような気がするのは言いすぎのような気がしますが、ある意味の変化の兆候のような気がしてなりません。
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