長野県伊那市にある伊那食品工業という寒天メーカー。
従業員400人。売り上げ高200億円の中小企業です。
この会社の経営方針は、以下の通りです。
1.人件費はコストではない。だから、リストラはしない。
2.社員が安心して働けるように、年功序列を守る。成果主義、能力給は導入しない。
3.急成長は必ずしも善ではない。低成長でも末広がりの「年輪経営」を目指す。
4.売り上げや利益は目的ではなく、企業経営の手段にすぎない。企業の成長とは、去年より今年と、社員が幸せや豊かさを感じられるようになること。
この企業に最近でも6つのテレビ局から取材の問い合わせがあったということです。
注目される理由は、日本企業が伊那食品の経営の在り方に今後のヒントを見つけたいということだと思います。
私自身も大変参考になります。
当社売上の目標は、前年対比5%と設定しています。
「たったの5%?、どうして?、高い目標があってこそ成長があるのではないか?」
と思われると思います。
10%、20%UP。できるだろう。これぐらい・・・
実際、出来ません。
(結果としてそうなることはありますが・・・・)
私が5%にしている理由は、ちょっと努力すれば届きそうな目標値だからです。
人間、すべての人が優秀で、目標通りに動けるとは限りません。
昔から言う、「2、6、2の法則」がどこの会社にもあるのです。
2割の優秀というか会社を引っ張っていく社員が、6割のどうでもいいと考える社員を使い、2割のやる気のない社員の肩を持つ。
優秀だろうという人を集めても、「2、6、2の法則」は成り立ちます。
(アリやミツバチの世界でもそうなるそうですよ)
その辺を十分に理解されて経営をなさっているのではないでしょうか?
「社員を安い給料でこき使い、社内はギスギスして、仕入先にも無理強いをして必要なメンテナンスや設備投資もしない。それで最高益を出したからって、いいわけありません。」
当社取引のある大手企業では、現在、事業の再編もあり、派遣を切っています。
不足する人材は他の部門から回したり、転勤でまかなう方針だそうです。
派遣には2か月程度前には言い渡していあるのですが、職場の仲間には何の説明もしていないそうです。
「Aさんは今日で終わりです。」と突然告げるそうです。
先ほどの伊那商品さんの経営方針と真逆です。
こんな会社がいい会社になるとは思えません。
名の通った会社だから許されるのでしょうか?
今こそ、大企業も含めて、「会社は何のためにあるのか?われわれの使命は何なのか?」ということを考えてみる必要があるのではないでしょうか?
急成長しない、年輪のようにゆっくりと成長する、そんな会社になりたいと思いました。
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