先日のテレビで紹介があった「四谷 すし匠」。中沢圭二さんという方が経営されています。
中学を卒業されてから料理人の世界へ入られ、20歳代後半までを全国の料理屋さん、鮨屋さんを放浪修行されました。
店を持たれて現在40歳ちょっとだそうです。
東京の有名すし屋さんからも一目置かれる存在で、かなり有名な方のようです。
お話の中で印象に残ったことは、「お客様は、おいしい寿司を食べに来てくれているわけではない。店の雰囲気、握り手との会話を食べに来てくれているのだ」。
この店は、カウンターしかないとてもこじんまりとした店です。
夜のメニューは、お任せしかありません。
寿司を食べるお客様の反応を見ながら握ってくれる形式となっているようです。
我々貧乏人にとっては勘定がいくらになるのか気になっておいしくないような気がします。
ネタも一流。シャリも一流。どこでも食べられる寿司を出しているわけではありません。
しかし、この中沢さんがおっしゃった、「寿司ではない」という言葉にいたく感動しました。
私たち経営者は、「売れる商品があるから商売できる。売れないのはいい商品がないからだ」とついつい思ってしまいます。
しかし一流を極めた人は、その商品に頼ろうとしていません。
自分たち自身がどのようにお客様と接すればいいのか?
お客様をお迎えする雰囲気はどうなのか?
決して商品だけではありません。
私たちは自然と「いごこちのいい場所」を探します。
たとえば、電車に乗る時、左に行くか、右に行くか? 講演会の会場で右側に座るか、左側に座るか?
人によっていごごちの良さは違います。
そのような「いごこちのよさをお客様に提供する」ことが、私たちにとって重要なのではないかと思います。
インターネットの普及で、地球の反対側からでも注文が入る時代。
商品を手に入れること、知識を得ることは容易になりました。
しかし、最後に残るのは、「人とのかかわり合い」です。
「いごごちの良さを感じる」相手になることが重要なキーワードになるような感じがした意見でした。
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