日経ビジネス2009.4.20号にケーズデンキ社長加藤修一さんの言葉がありました。
家電量販店と言われる会社の社長である。
「1位にならない様に、頑張らないようにする。それが私たちの経営なのです」とおっしゃっています。
企業経営からすると矛盾と抵抗がある経営哲学だと思います。
「4位が1位を目指しているかと言えばそうではない。むしろ1位を占めた会社はやがて力を失ってしまう」
家電量販業界ではそういう例が多いそうです。
星電気、第一家庭電器、ベスト電器、コジマなどはその例です。
なぜ頑張らない経営が成長し続ける企業となりうるのでしょうか?
ケーズデンキでは、従業員にノルマは課していません。
ノルマがあるとノルマ達成が難しくなると顧客が必要としている商品ではなく、利益率や売価の高い商品を無理にお客様に売りつけることになってしまいます。
ところが顧客は「こんなものを買わされた」という不満が残り、二度と戻って来ません。
また、メーカー取引にまで影響してきます。
「売れない商品を大量に仕入れてしまうケースも出てしまいます。
また、ポイントサービスもしていないそうです。
10%ポイント還元といわれると、もともと値引きできるのであればできるのではないかと思ってしまいませんか?
顧客を混乱させてしまう危険が大きいからです。
「顧客から求められるものやサービスを提供して滅んだ会社は、かつて1社もない。だから安心して私たちの信じるやり方でけーッ図を成長させていこう。」と加藤社長は従業員に説明してるとのこと。
私もそう思います。
1位というのはつらいものです。孤独です。
圧倒的な差がついた市場では別かもしれませんが、ほとんどの場合は無理をした経営の結果ではないでしょうか?
従業員に無理を強いる、資金繰りで無理をする、仕入先、下請け企業に値引き要求をする。
いいことではないと思っています。
企業努力をしてコストダウンして、それを理解してくれる顧客が納得して購入、サービスを受け入れてくれる。
それにより適正な利益を得、成長を続ける。
今までは急成長する会社、店頭公開するとかが一番いいと思われていたと思います。
その結果、企業理念にそぐわない株主が出てきて、結果的には乗っ取り、挙句に果てには経営者が追い出されてしまうこともあります。
私は、これからの企業経営は「頑張らない経営」だと思います。
身の丈に合った経営をしながら、着実に成長し続ける。
不況も関係ない、世の中の動向に左右されない経営をしていく会社こそが今後、生き残ると思います。
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