先日、私の母親から「ピケ、なんとか知っとるけ?なんだか5000円ほどの本が売れているということだけど。この間もNHKでやっとったよ」
なんだ、それ。
「どうゆう人ながけ?」
「イギリスの人」
これだけの情報で、誰なのかを解き明かしていかなかければなりません。
先ず、「ピケ」。ピケティかな?
イギリス人。年寄はイギリスもフランスも同じヨーロッパの国です。
NHK。どうやら2月2日にクローズアップ現代で特集されていたようです。
トマ・ピケティ。フランスのパリ経済学校教授。「21世紀の資本」と言う本が世界的なベストセラーになっており、その彼が日本に来て、様々なメディアの方と会談していったということです。
彼が言いたかったこと。
一つ目。
世界各国の膨大なデータを分析し、「富める者はますます富み、そうでない者との格差が開いていく」ことを資本主義が抱える問題として明らかにしたこと。
2つ目。
経済学批判。経済学が数字そのものになってしまい、世の中が見えなくなってしまった。今こそ経済政治学を復権させるべきだ。
3つ目。
格差がなぜ広がるのかを説明するメカニズムが「資本収益率(r)>経済成長率(g)という、極めてわかりやすい不等式で説明できる。
ここで言う「資本収益率」とは株式や預金、不動産などあらゆる資本から得られる年間の収益の割合(配当、賃料、利子など)を指します。
経済成長率とは、所得や産出(純生産)の年間増加率としています。
歴史的な検証の結果、税引き前のrはほほ一貫して4~5%で推移してきたのに対し、gは最大でも4%未満。
つまり、労働賃金を増やすよりも、資本を多く持ってその一部を再投資(貯蓄)するほうが富を増やしやすいということになります。
「富めるものが富む構造」。
これが格差社会になってしまって、様々な社会問題として浮かび上がってきています。
私にも理解できることは、(r)>(g)。
現在の富裕層と言われている人たちは、高齢者がほとんど。
その人たちは高級レストランや料亭、海外旅行に行くわけではなく、せっせと貯蓄しています。
銀行に預けても利益はないので、投資信託や株にお金を預けます。
儲かったお金はまた投資に回します。
その利益が10%だったと致しましょう。
100万円の利益は10万円ですが、1億円の利益は1000万円になります。
どうでしょう。1000万円プレイヤーになるのにサラリーマンだったら何年かかりますか?
ほとんどのサラリーマンはなれません。
現役の労働者より腰の曲がったお年寄りのほうが収入が多いということは、本当にいいのでしょうか?
私は、そこに問題があると思っています。
頑張った分だけ報われる世の中。そして、孫子にまでその利益が行くような政策を取ってほしいもんです。
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