先日鉢呂経済産業相が、「原発をゼロにする。今後、新しく原発を作ることはないだろう」という発言をされました。
日本は原子炉に頼らないエネルギー政策を取るということを表明したということになります。
現在ある原子炉は近いうちに再稼働していかなかればならないことは、ここ1年の間で電気を原子炉以外で賄うことが出来ないことは自明のことであるわけですから、理屈の判っている人であれば理解できる話であると思います。
しかしながら、本当に原子炉を増やさないことは日本にとっていいことなのかは私には理解できません。
世界的に人口が増加傾向にあります。発展途上国でのエネルギーは今後、ますます増加します。
そのエネルギー覇権争いは先進国を中心に繰り広げられるでしょう。
石油や天然ガスを持っている国は、その継続的な取引を巡って政治的、経済的に支援をすることになりますす。
では、日本はということになります。
日本の原子炉の性能は世界でもトップクラスだといわれています。
その技術を今後も発展させていくためにも、原子力開発は続けていかなかればなりません。
もし、ここで中止するようなことがあれば、日本が40年間蓄積した全てを失うことになり、エネルギー政策の覇権争いから脱落する恐れもあります。
そもそも日本で原子力を推進させたのは、アメリカの意向とその当時の自民党幹部の覇権争いが見事に一致したことによることだといわれています。
もし、今回の原子力政策が、民主党と自民党の争いであれば、間違った方向に行く可能性もあります。
民主党が「再生可能エネルギーへシフトする」ということは正しい判断だとは思います。
技術革新も面からしても、日本のより細かな制御技術やシステムを生かすことのできるチャンスにはなると思われます。
今回の福島第一原発事故は甚大な被害をもたらしたことは事実ですし、今後何十年も人間が住めない地域を作ってしまったことも誰でも理解しています。
しかしながら、原子力というとてつもないエネルギーをもった物質がこの地球に存在し、今後もそれと人間はお付き合いしていかなければならないことも事実です。
これだけの被害をこうむった日本が、このことをどう考えるかは難しいことでありますが、捨て去ることはいかがなものかという気がします。
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