海外へ行った方は良くお解りだろうと思いますが、日本と言う国は「モノづくりの国」なんだなーと実感します。
ヨーロッパ諸国、アメリカ本土などの先進国と言われている各国で日本に相当するような国は、ドイツぐらいではないでしょうか?
ヨーロッパは、遺跡や自然などが観光資源となり、外国の人たちを引きつけます。
アメリカはどうでしょうか?
私の印象は、観光と農業、資源開発の国に金融などの経済活動があるような印象があります。
自動車産業はあるし世界的に有名な化学メーカーなどやコンピューター関係の企業、航空機産業など沢山あるような感じですが、それ以上に土地が広大で、その印象が薄れてしまいます。
翻って日本はどうなのか?
日本には多くの中小企業があります。
その多くが「モノづくり」の企業。
沢山の部品加工会社が日本の優秀な製品を支えています。
その中小企業が「円高」のため、利益を出せなくなってきています。
特色ある製品、部品を作れば生き残りがあると専門家は言います。
確かにそうではあるのですが、そう簡単に開発できるものではありません。
最近、県主催、業界団体主催などの講演会で、盛んに中国、インド、東南アジアへの進出のアドバイスをするセミナーが目立つようになってきました。
「日本のモノ作り中小企業の皆様、東南アジアへ行きませんか?」ということだと思います。
なぜなのかは云わずものながです。
特にすばらしい技術力や競争力のある製品がなくても、日本の中小企業が現在の技術レベルで東南アジア、インドなどで生産をしても価格競争力や製品で優位に立つことができると思われるからです。
私の知っている富山の会社は、10年ほど前からタイへ行き、自社製品を製造して日本へ持ち込んでいました。
最近ではソフトウェアの開発なども現地で行っているとのこと。
タイでは日本人技術者よりもはるかに優秀な人がより安い給与で働いてくれるそうです。
この会社は、黒字経営を続けておられます。
このようなことが今後、どの中小企業でも起こっていくような気がします。
私の予想ですが、20年後、日本のモノ作りを支えていた中小企業は海外で利益を出し、そのお金を日本に持ち帰るという今までトヨタなどの大企業などしかできなかったことが当たり前のような世の中になっていくような気がします。
そうなった時、日本人の働き方が変化し、その変化についていけない人が取り残されることになっていくのではないかと思います。
記録的な円高が、日本の実力ではなく、アメリカやユーロ圏の影響でなってしまっていることは明白です。
世界がこの事態から立ち直るにはまだまだ時間もかかるでしょう。
厭がおうにも日本のモノ作り中小企業は、海外へ生産をシフトしていくことが喫緊の問題となっているのではないでしょうか?
日本人の勤勉さや手先の器用さはどこの国にも負けることはありません。
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