先日、取引させていただいている和服販売会社の大女将さんとお話しする機会がありました。
現在、82歳。背筋もぴんとした和服がお似合いの大女将さんです。
商売をはじめられたとき、北京からの引き揚げたこともあり、言葉が標準語。
富山で生まれたとはいえ、戦後の田舎では標準語しかしらない人は信用されなかったそうです。
そこで、「私は、どこそこの孫です」という言葉を付け加えることにしたそうです。
「ああ、あそこのお孫さんけ?私はお父さんに世話になったんだよ」と言われるようになったそうです。
また、ある時は小さいころからおけいこをしていた「おどり」を披露し、教えて差し上げることもあったそうです。
そうするとお客様のほうから、「・・万円だったら買ってもいいですよ」と言って頂き、注文を取ることができるようになったそうです。
和服販売ですから和服を売るのが商売です。
「この和服は、・・・で一生涯着れますよ。」。「この和服はあなたにお似合いだと思いますよ」というのが当たり前です。
そこをぐっとこらえ、先ずはお客様と仲良くなることに徹したことで、徐々にお客様が増え、お客様がお客様をご紹介していただけるようにまでなってきたということでした。
高額商品を販売するとは言え、いきなり「どうですか?」と言っても売れるものではありませんが、大女将さんに今回教わったことは、「急がばまわれ」ということではなかったかと思います。
私も会社を経営しているわけで、数字は気になります。
利益を出し続けていかなかれば、給料も支払えないですし、会社もつぶれてしまいます。
売り上げが少なくて困った経験は何度もあります。
そんな時に焦って売り上げを作ろうと思っても、その心はお客様にお見通しです。
そんな時には「急がばまわれ」なのです。
じっと我慢して、その時を待つ。
そんなことを教えていただきました、大女将さん、どうぞ健康で長生きしてください。
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